2015年5月号

<特別寄稿>東大生の体験談「私はこうして進路を決めました」
 今年の三月まで学習指導を担当していたスタッフに「どのように進路を決めてきたのか」インタビューしました。
 今は具体的に考えられないとしても、勉強に取り組んでいるうちに見つけた「楽しさ」が進路決定に役立つ。そんな経験談です。

 学習指導を担当していたA.Iです。 今回は皆さんの参考となるよう、これまで、私がどのように進路を決めてきたかをお伝えしようと思います。
 まず、私はこの前の三月まで東京大学大学院の工学部で物理工学を専攻していました。物理工学とは言うものの、私のいた研究室では、工業・産業への応用をほとんど考えていなくて、もっぱら物理現象の解明を行っていました。巨大な装置を使って、物質を絶対零度近くまで冷やしてみたり、ものすごく強い磁場をかけてみたりした時に、どのような反応があるのかを特殊な装置を使って調べるというもので、振り返るとかなり面白く研究させてもらえたように思います。

 物理の研究と聞くと、なんだか難しいように思うかもしれませんが、そんなことはなくて、
高校生からの勉強の延長線上にあるものです。使うのは、高校生の時にならった微分積分や、確率等の数学が多いですし、最先端の物理も高校で習う物理の延長線上にすぎません。ですので、私は、高校生のころからずっと同じようなことを続けてきた、と言っても過言ではありません。
 
私は、高校生のころから物理が好きだったという訳ではありませんし、特に優秀だったわけでもありません。私の卒業した高校は、一年間で東大合格者が20人くらいのところでした。入学したての頃の自分の成績はと言うと150番くらいで、東大になんて到底入れるレベルではありませんでした。理系を選んだのも、正直、「なんとなく」というのが理由で、国語に比べて数学が少し得意だったというだけです。最初の内は、物理も訳が分からなくて嫌いでした。ただ、嫌だと思いながらも勉強していくと、だんだんと物理の面白さが分かるようになってきました。そうすると、勉強するのも楽しくなってきて、テストの点数も上がるようになって、さらに勉強するのも楽しくなって、という良い循環が生まれました。それで、もっと物理を知りたい、研究したいという気持ちが出るようになり、大学でも物理を研究することになったのだと思います。

 勉強は分からないことが多くて大変だし、遊んでいた方が楽しいことも多いです。しかし、今思えば、高校生のころ、最初は苦手だった物理の勉強に取り組み続けた事で進路が決まり、興味深い研究をすることができ、面白い経験ができたのだと思います。最初は苦しいと思いますが、勉強が楽しくなるまでの辛抱です。将来のために、受講生の皆さんも勉強を頑張ってください。
(工学系大学院卒 A.I) 

Q1. 「志望校は東大」と考えていましたが、偏差値が高すぎて自分には難しそうです。あまり成績が良くない自分が東大を目指していいんでしょうか。
(高2 男子)
A1.
 私が高校に入学したての頃には、どう転んでも東大に入れるような成績ではありませんでした。二年生の時には理系コースを選択したことを後悔し、本気で文系コースへ変更することを考えるくらいでした。
 結局、東大受験を決めたのも高校三年生の夏で、その時点でも成績は「東大受験」という言葉を口にするのもおこがましいレベルのダメダメな成績でした。
 しかし、こんな私でも東大に入学することが出来ました。 それに比べて、高校二年生の時点から東大志望という明確な目標を持っていることは、それは自信にして良いことだと思います。
 偏差値は所詮基準でしかありません。高二の現時点でそんなものを気にしているようではいけません。
 
成績なんて自分の努力一つで伸ばすことが出来るのですから、偏差値に縛られず、強い意志を持ち努力しましょう。

 また、人には才能が開花するタイミングというものがあり、思うように成績が伸びないという場合もあります。ですから「東大以外は大学でない」とかそういう考えはあまり持たないで、
自分のやりたいことができる大学はどこなのかをよく調べておくとよいです。
 というのも、
プレッシャーを感じすぎると勉強がはかどらなくなることが多いからです。○○さんが大学に入って学びたい分野はなんでしょうか? 研究の内容によっては他大学の方が成果を出している場合もあります。希望学部・学科を持つ大学のHPやオープンキャンパスなどを活用して調べてみてはどうでしょうか。あまりプレッシャーを感じすぎずに頑張って下さい。
(工学部 O.Y))

Q2. 化学と物理が苦手なのですが、どういった勉強をしたらいいのでしょうか。
(高2 女子)
A2. 
 苦手だと感じる部分は具体的にはどこでしょうか。まずはそこを考えましょう。
@  公式を覚えていない
A  暗記事項(化学式など)を覚えていない
B  基本的な考え方を理解していない
C  複雑な計算式を立てることが出来ない
 などの状態に陥っているのだと思います。

 化学・物理のそれぞれの単元について、@〜Cのどれかになっていないかを確認しましょう。@〜Bが出来ていないならば、当然ながら問題を解くことが出来ません。教科書の内容を復習しましょう。

 
センターまでで良いならば教科書と基礎的な問題集を完璧にして、あとはセンター演習の問題をたくさん解けば大丈夫だと思います。今、使っている教科書と問題集の問題をすべて解くことが出来ますか? まずはそこから始めましょう。

 お奨めなのは、
教科書や問題集の基本例題をすべて解いてみることです。
 出来ないということは、@〜Bのどれかが理由だと思いますので、基本を習得し直しましょう。出来るならば基礎は習得できていますので、基本問題に進んで、立式する力を養っていきましょう。

 どの科目でも言えることですが、
基本を習得することが大切です。

 化学・物理は苦手だからと思考停止に陥るのではなく、自分は何がわかっていないのかを分析しましょう。公式が分かっていないならば、それを覚えれば良いはずですし、いつも電池の問題を間違えるのであれば、その化学反応を暗記して、基本例題を何度も練習すれば改善されると思います。

 地道な作業ですが、
勉強はやればやるだけ結果が出るもので、毎日着実に頑張ってください。

(理学部 T.Y) 
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