2015年6月号

<特別寄稿>東大生の体験談「目標を見失わない」
 「どれだけ勉強すれば良いですか」…よく訊かれる質問に東大生スタッフが体験談を交えて回答します。
 

 皆さん、こんにちは。学習指導担当のR.Iです。今回は「目標を見失わない」というテーマで私の体験を交えながらお話したいと思います。
 最近、受験生からの質問で
「どれくらい勉強すればよいか」という質問をよく見かけます。「英語の長文が苦手なのですが、どれくらい勉強すればいいですか」などといった質問です。さて、どれくらい勉強すればよいのでしょうか。
 
答えは、「できるまで」です。なぜなら、この話題における「目標」は「(試験で)問題が解けるようになること」だからです。どれだけの時間、またどれだけの量勉強すればいいかを明確に答えることはできません。

 例えば私の場合、英語のリスニングのコツをつかむのには1ヶ月以上かかりました。かなり苦労した思い出があります。
 
受験生時代、私はリスニングが苦手でした。文法、語法問題はまだ良かったのですが、リスニングは壊滅的で、試験でも勉強でも本能的にリスニングを避けてしまうほどでした。だんだん受験が近づく秋になっても模試でリスニングが3割取れない(4択問題なので、ランダムでも2割5分)という絶望的な状況に危機感を抱いた私は、これはまずいと慌てて書店に走り、これはと思ったリスニング対策本を手に取りました。
 しかしいざ始めてみると、どれも開始1秒で諦めてしまうようなレベルで全くわからない。採点するとお決まりの3割。満を持して始まった私のリスニング強化週間は、開始2時間で見事に挫折しました。 これではダメだともう少しレベルを落とした参考書に変えたり、通学時間でBGMのように英語を聞き流したりといろいろな方法を試しましたが、リスニングはまるで上達しませんでした。
 しかしスクリプトを眺めていたある時、ふと
「毎回同じ箇所を聞き取れていない」ことに気づきました。
 そこで、初めは何も見ないで聞き、次にスクリプトを見ながら聞き、それでも「何言ってるのかさっぱりわからない」と思う箇所は自分が同じように発音できるようになるまで聴き込む、という方法で勉強し始めました。この方法でコツコツやった結果、聞き取れるフレーズの種類が増え、
リスニングはなんとか5割キープできるようになりました。因みに、ここまでには1ヶ月半くらいかかりました。
 
苦手克服の「目標」はあくまで「できるまで」であり、「どれくらい勉強すればよいか」ということを一概にいうことはできません。かかる時間は人や分野によって違います。私の場合、リスニングは1ヶ月以上悶々としていたのに対し、同じく苦手だった確率は、数学自体は得意だったこともあってか、基本例題を反復練習することで、3日くらいで標準レベルにのせることができました。
 このお話の中で一番重要なのは、「目標を見失わないこと」です。例えば、確率が苦手な人が確率の問題を150問消化したとして、本番で確率の問題が解けなかったら何の意味もないのです。
勉強時間を気にするのではなく、達成度を考えるようにすることが肝要です。

 もう少しすると夏休みです。夏休みはまとまった勉強時間が取れる、苦手克服には最適な時期です。それでは、皆さんの健闘をお祈りしています。

(工学部 R.I) 

Q1. 現代文の問題、特に小説の読み方のコツを教えて下さい。
(高3 女子)
A1.
 「評論」と「小説」と分けて考えがちですが、入試問題として出される際には「一つの正解がある」点は共通です。
 小説の受け止め方は人それぞれでしょうが、問題で聞かれているのは自由な解釈ではなく、論理的に導き出すことの出来る「一つの答え」です。評論を読む際に、対比や抽象/具体を意識して理論展開を追うのと同様に、
小説では感情や場面の変化のきっかけに注目し、ストーリー展開のポイントを追うという意識を持つと良いと思います。

 評論では「筆者の言いたい事」が訊かれますが、小説ではその代わりに「登場人物の気持ち」が問われます。自分のセンスや感覚で解答しても大丈夫だと思うかもしれませんが、それは間違いで、感情移入して「小説問題」を解こうとすると出題者のワナにまんまと引っかかってしまいます。
自分の感覚やイメージを一切排除して問題文から客観的根拠だけを探し出し、そこから登場人物の心情を分析する必要があります。ヒントとなるのは、登場人物の心情が描かれている箇所のほか、セリフ、動作、風景描写、何かのきっかけで場面が変わる箇所です。例えば「明るい気持ち」の時には明るいセリフ、軽やかな動作、明るい風景描写になるはずです。
 評論と同じく、答えの根拠は全て問題文中にあります。
問題演習をこなして是非コツをつかんで下さい!
(医学系大学院 T.R)

Q2. 2年になって数学の先生が代わりました。その先生は黒板を書くのも説明も早いです。このままだと授業内容が分からないまま先に進んでしまいそうです。どうしたらいいですか?
(高2 男子)
A2. 
 数学Uは単元数も多くなり、内容も高度になるので授業のペースが速くなることは仕方の無いことだと思います。まず授業を重視した勉強にシフトすると良いでしょう。

■予習→授業→復習の流れ■
<予習>
 授業では、定義・定理、そして公式を理解することが大切です。そのため
予習の段階で定義・定理の解説と公式の導出過程を読んで、理解が難しい箇所などをあらかじめチェックしておきましょう。事前にチェックしておけば先生のスピードにもついていけるようになると思います。
<授業中>
 授業中は
先生の話を聞くことに集中しましょう。解法のポイントが含まれていますからそれをノートにまとめるようにします。授業では予習の段階で自分ではわからなかったことを解決できるように、先生の解説をしっかり聞きましょう。また、解説の中で補足的な知識や関連事項の説明もなされる場合が多いので、ノートにしっかり書き留めましょう。特に数学では、文字に現れていない「どうしてその方針で解答しているのか・どこに解答の糸口があるのか」といった説明を先生が口頭で何気なくしゃべっていることが多くあるので、それを聞き逃さないようにしてください。
<復習>
 復習は
基本的には問題演習になります。第一の目標としては定義や定理を理解して、公式が使えるようになることがあげられます。公式の使い方を覚えるような問では、きちんと公式が覚えられているか教科書を見ながら復習すると良いでしょう。特に「例題」は必ずマスターすること。学校の問題集は基本問題を中心に、自分なりに少し考えてみて、それでもわからなかったらノートや参考書、教科書を見て、ヒントを探して再び解くと良いでしょう。その後、何も見ないで解けるようになるまで演習しましょう。それから考えても腑に落ちないところは遠慮なく先生や数学が得意な友達に訊ねてみましょう。質問をして納得するのも立派な勉強です。

 あれこれ手を広げず、
教科書(授業)中心に学習して基礎的な力を身につけていきましょう。頑張って下さい。

(農学部 K.K) 
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