2015年12月号

<特別寄稿>東大生の参考書の選び方
「オススメの参考書」を教えて下さいという質問を多く受けます。
そこで今回は東大生スタッフに「どうやって参考書を選んでいたか」を聞いてみました。

 こんにちは。私は工学部で物理工学を専攻している学部3年生です。今回は参考書の選び方についてご紹介したいと思います。
 参考書を選ぶ時のポイントとしては当然、「わかりやすい」ということが挙げられると思います。そこで重要になってくるのが、あなた自身に合った「わかりやすさ」であるかどうかの判断です。よく本屋さんに置いてあるのが、基礎の基礎である部分を噛み砕いて説明しただけの参考書です。こういった本は、
まだその科目を勉強し始めたばかりであったり、全然理解できていなかったりするときに読んでみると、「この本めちゃくちゃわかりやすい!!」と思ってしまいがちです。
 しかし、基礎の基礎の部分というのはいったん理解してしまえば「なんだ、そんなことか」といった内容も多いですし、単純に「慣れ」の問題であることも多いです。例えば、皆さんは小さい時に「掛け算九九」を覚えたと思います。初めのうちは「難しい、覚えきれない」と思ったはずです。ところが今はどうでしょう?ほぼ考えるまでもなくパッと言えるでしょう。それと同じで、
そのうち理解できてしまうような簡単な部分を噛み砕いただけの本に¥1000も¥2000も使うのは勿体ないです!
 それでは、どのように参考書を見分ければ良いのでしょうか?以下に、私が意識していたことを述べたいと思います。
 本屋さんで本を見るとき一冊丸々目を通すのは無理ですから、私はある特定の分野を読んで参考書同士を比較していました。そのとき特に意識していたのは、
全然理解していない苦手な分野で読み比べるのではなく、「ある程度理解できている分野」で読み比べることでした。なぜかというと、現時点でさっぱり理解できていない分野の説明を読んでも、その説明が本当にわかりやすいのかどうか判断できないからです。ある程度理解している分野であれば、「なんだ、この本は当たり前のことを噛み砕いているだけだ」とか、「おっ、ここの内容はこういう見方もできるのか!」とか、書いてある説明が今後の自分の勉強に役立つのかが判断しやすいのです。そうして読み比べて候補を絞ったら、ほかの分野にも目を通して一番よさそうなものに決めれば良いと思います。
 一例として、私は化学の「有機化合物の分離方法」の内容で読み比べて、自分によく合った本に出会ったことがあります。それまでは仕方なくただ覚えていた内容が詳しく説明されており、「丸暗記じゃなくてちゃんと理屈があるのか!」と感動したのを覚えています。この本を中心に化学を勉強したおかげで、それまで必要以上に暗記に頼っていた部分も、理屈で理解できるようになっていきました。結果、化学が自分の武器となり、模試などでも安定して得点を稼ぐことができるようになりました。
 
良い参考書の理想は、「これ一冊を信じて頑張ろう」と思えることだと思います。昔、私の先生の言葉で、「止まり木をつくれ」というのがありました。「止まり木」というのは鳥のかごの中などにある、鳥が止まって一休みする木のことです。鳥はいろいろ動き回ったり飛び回ったりした後は必ず止まり木に戻ってきます。勉強も授業を聞いたり演習問題を解いたりした後は、必ず自分の「止まり木」の参考書に戻ってきて、知識の確認や復習をして一冊の参考書をしっかり仕上げなさい、というのが先生の言葉の意味でした。
 是非みなさんにも自分にぴったりの「止まり木」を見つけてほしいと思います。頑張ってください!!
(工学部 A.M) 

Q1..数学の証明問題はどうやって勉強したらいいですか?
(高2 男子)
A1. 数学の証明問題と一言で言っても様々なタイプがあります。
  しかし、全体を通して言えるのは
「結論からも逆のぼりながら『結論を証明するにはコレが言えれば良い。』という置き換えをしていく」という事です。スタートからやみくもに考えるのではなく、ある程度ゴールの目星をつけてから、そこに向かって一直線で進んでいくというイメージです。
 証明問題を含め、数学学習の基本は「問題を解くことを通じて、数学がわかること」なので、以下の点も参考にしてください。
 ・自分で問題を解く
 いくら良い講義を受けても、問題が解けるようになるとは限らないのと同じく、聞いて理解することと、自分で問題が解けることは異なる。
 
・きちんと理解すること
 テクニックや解法を暗記しても本当の実力にはならない。暗記したタイプの問題にしか使えないので定期テストくらいにしか通用しない。
 ・よい方法は吸収しよう
 数学には歴史と体系がある。安定した得点を狙うなら、自分のひらめきに任せるだけでは限界がある。

 数学の実力をつけるには、自分で考える(発想力)、すでに確立されている方法を吸収する(知識)のバランスをとって学習することが大切で、このどちらが欠けても効率よく力を身につけることはできません。数学のどの分野の学習でも言える事ですが
「自分で問題を考える」→「解答、解説で理解する(吸収する)」ことの両方が大切です。
(農学部 O.T)

Q2.学校で英語の文法の参考書とワークをもらいました。これを使ってどのように勉強すれば力がつきますか?
(高1 男子)
A2. 文法は多くの学生が苦手としている分野だと思います。しかし、解決方法は実は非常に単純です。
  「文法構造を理解し」『ことばを覚える』です。
 したがって英語を勉強するときも、理解を深めながら同時に少しでも多く覚えていくことが重要になります。

 それでは学校でもらった参考書とワークを使って「文法構造を理解し」「同時にことばを覚えていく」を実践する方法を考えましょう。
 まず、
ワークにある問題を解いて力試しをしてみましょう。そして解けなかった問題・わからなかった問題はすぐに参考書を調べて「どこがわかっていなかったのか」をはっきりさせましょう。
 このプロセスが「理解を深める」部分に相当すると思います。

 そして何よりも大事なのが
「反復すること」です。人間は繰り返さないと物事を覚えることはできませんから、このワークと参考書を完璧に仕上げるつもりで反復しましょう。「この二冊!」と決めたら、あれこれ他の本に手を出さないことをオススメします。沢山のものを中途半端にやるより、決めたものをしっかり仕上げるほうがはるかに実力がつきます。

 具体的な反復法としては、
1周全て終わってから2周目に入ろうとすると、初めのほうは完全に忘れてしまっていると思うので、例えば「毎日1ページずつ勉強→日曜にその週の6ページを復習」というように、記憶が新しいうちに復習を重ねていくと良いと思います。頑張って下さい!
(工学部 O.Y) 
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