2014年9月号

<特別寄稿>「周りの意見に流されない」


 はじめまして。東京大学農学部4年のK.Kです。大学では獣医学を専攻しています。馬や牛のお医者さんになることが夢です。
 今回は、受験勉強における情報の取捨選択について、自分の経験を踏まえてお話します。

 IT革命という言葉が使われて久しい昨今、私たちの身の回りにはたくさんの情報があふれていますね。受験界でも然り。最新の入試情報が自宅のPCで閲覧できたり過去問がダウンロードできたりと便利な世の中になりました。
 しかし一方で「自分にとって」不必要な情報と巡り合う機会も激増してしまいました。
 どこからともなく「○○という参考書は買ったほうが良い」「英単語帳なら××が良い」「一日□□時間勉強しなければならない」等々と耳にし、困惑する事も増えてきたように思えます。
 
情報の取捨選択において重要なのは、 「自分の」目標達成にどれほどその情報が役立つかを考慮することです。以下で具体的に考えてみましょう。

 第一に参考書について。
 持論ですが最強(?)の参考書はずばり、
あなたが志望している大学の過去問です。
 あなたが将来挑戦するのは、○○という参考書に掲載されている問題ではなく、あなたの志望校の入試問題です。
 よって本番の形式に慣れる意味ではこれ以上のものはないでしょう。まったく同じ問題が出ることはないでしょうが、出題傾向
(頻出分野や多く得点が割り振られている分野)がわかれば、当該分野を重点的に勉強しようという明確な方針も立てることができます。
 ですから参考書を購入する際には過去問を解いた後の方が望ましいことになります。
 参考までに私は3年の春に赤本を購入し、夏に解き進めつつ夏以降の勉強の方針を定める一助とし、冬に解き直しました。通算では10年分を3周したと思います。極めて良い対策ができたと思います。

 第二に英単語帳について。
 みなさん単語の暗記には苦労しているようで(私も苦労しましたが)、どの単語帳がよいかとしばしば聞かれます。
 
答えは、どれでもよいです。
 
自分が使いやすいもの、合っているものを選びましょう。
 最近出版されている英単語帳に掲載されている単語はほぼ同じです。これはセンター試験や2次試験を分析し出題頻度の高い単語を選定したためです。たくさんの単語帳に手を出すよりも、1冊を確実にモノにする事が重要です。よって成績優秀なA君が××という単語帳を持っていたからといって、新たに単語帳を購入する必要はありません。
 たまに友達の東大生とも受験生時代の話をしますが、皆学校で使っていたり、自分で選んだりした1冊の単語帳だけをやりこんで合格しています。

 第三に勉強時間について。
 「一日何時間勉強すればよいですか?」 「毎日3時間勉強すると決めたができません。どうすればよいですか?」と質問を受けます。このような勉強時間だけを定めた学習の仕方は非常に具体性を欠きます。
 
目標なく勉強することは非効率です。
 勉強時間ではなく中長期的な目標を定めてください。
 例えば数学Aで確率の分野がわからないのであれば、当該分野の問題をいついつまでに一周すると決めて取り組みましょう。期限を設定すれば一日に取り組む分量もおのずと決まるでしょう。
 この際、1つの問題で悩み過ぎるのは時間の無駄です。5分考えてわからなければ、解答を見るか、それでもだめなら学校の先生に質問して効率のよい勉強をしましょう。

 情報が多いからこそ、自分にとって価値のある情報を見つける能力が問われています。情報を取捨選択すれば、効率よく受験勉強を進められるでしょう。
 そして浮いた時間は無論、青春を全力で謳歌してください。

(農学部 K.K) 

Q1. マーク模試を一緒に受けたクラスメートが、物理の問題を計算はせずに今まで習ったことから論理的に考えて答えを予測し6割取れたと言っていました。自分には難しいと思いました。物理の問題はそうやって解いていくものなのでしょうか。 
(高3 男子)
A1.
 計算をせずに物理の問題を解くことは出来ないと思います。物理は基本公式を使ってさまざまな物理量を計算することで論理を組み立てていく教科です。よって計算をせずに問題を解くことは「論理的」ではなく「あてずっぽう」であると言えます。※計算が不要な問題もありますが、少数です。
 物理で高い点数を取るためには、基本に忠実なやり方をマスターする必要があります。基本のやり方とは以下の3ステップです。
@ 授業や教科書を通じて、物理現象を理解する
 物体がどのように動くのか、波がどのように伝播するのかといった基本的なことを授業や教科書を使って勉強します。
A 基本問題の演習を行い、理解度を確認する
 教科書を読んだだけでは問題を解けるようにはなりません。基本問題を解いてみると公式の使い方や問題の解き方がわかるようになります。
B 応用問題の演習を行い、応用力を身につける
 難しい問題を解くには、いくつもの公式を組み合わせて使う必要があります。基本問題ではこの力は身につきません。実際の入試問題の演習や模擬試験で実戦力を鍛えていきましょう。

 以上のステップを踏めば、二次試験レベルの難問でも、公式を組み合わせて計算を進めて解くことができます。
 計算が大変な場合もありますが、それが高得点への一番の近道なので、がんばってやってみると良いでしょう。
 
(工学部 N.K)

Q2. 日本史を勉強していると天皇の名前がたくさん出てきます。覚えるのが苦手なんですが、東大生の方はどのように覚えていましたか?ポイントを教えてください。
(高2 女子)
A2. 
 人名など暗記すべきものがたくさんあって大変ですよね。。。

 ”天皇”の名前に限って言うと、当時の政治(文化も)に深く関わっていた天皇(これは絶対に覚える)と、表立って名前の挙がらない天皇がいます。教科書巻末年表を常にチェックするようにしましょう。また、教科書や参考書では政局にかかわりのある天皇や皇族の名前が挙げられています。そこに出てくる人物は覚える必要があるということですから、マーカーなどでチェックしていくと良いでしょう。

 例えば「建武の新政」の項目では
 後深草天皇(上皇)、亀山天皇(上皇)、後醍醐天皇、護良親王、光厳天皇、成良親王、義良親王、光明天皇、後亀山天皇、後小松天皇
 と天皇だけでなく重要な皇族も出てきます。
 このように政治と深く関わった天皇(皇族)が出てきますので、時代(政局)ごとに整理しながら覚えていくと良いと思います。

 覚え方ですが、私は口に出してリズムで覚えていました。
 関連する単語を一覧表に並べて「アルプス一万尺」の歌に合わせてひたすら口ずさんでいましたね。
 (今思うと恥ずかしいですが^^;)

 
暗記の難しい(重要な)ところは、受験の時まで記憶を保持しておく必要があるというところです。
 
何度忘れても忘れた分だけ復習すれば、どんな人でも記憶は次第に定着していきます。
 
大切なのは反復とその回数です(あと努力!)

 歌のいい所は歌は覚えにくいですが、覚えてしまえばなかなか忘れないというところです。
 定期試験ごとに一曲覚えていましたが、受験本番まで歌を忘れたことはありませんでしたよ。
 
(農学部 K.K) 
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