2014年6月号

<特別寄稿>こんな質問待っています

 東大生スタッフに率直に「最近の学習質問の傾向で気になるところ」を聞いてみました。
 受験だけでなく、大学に入っても役立つ勉強法についても書かれています。ぜひ参考にして下さい!

 こんにちは。コアテックで指導を担当していますA.Iです。現在は東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻に所属し、物理学の研究をしています。
 今回は少し厳し目になるかもしれませんが、皆さんからの学習質問に対して日々感じていることを率直にお話させていただきたいと思います。

 まず感じることは、十分に考えていない質問や本来ならばする必要の無いような質問が多くなっている、ということです。 例えば、辞書や教科書を調べればすぐ分かる質問や、そのまま計算すれば答えに至る質問、時々問題だけ書いて「答えだけ教えてください」という質問も見かけます。

 残念ですがこれでは決して学力は付きません。

 自分で考え、悩んで答えを見つけないと学力は付きません。
 これが唯一の方法です。
 大学を受験し、将来の夢を掴むのは皆さん一人ひとりであり、その勉強の手助けのために私たちが居ます。皆さんは自分の貴重な時間を割いて質問をするのですから、一つ一つの質問を無駄にしないように、しっかりと考えて、自分で勉強する、自分で課題を発見してそれを解決するクセをつけてほしいと思います。
 それは入試に必要な学力を身につける最短の道であり、ひいては大学入学後に学問を学ぶ上でも役に立つからです。

 大学生の基本は「自分で問題を見つけ、その解決方法を考え、実践できること」です。
これは東大に限りません。他の大学の友人達と話すこともありますが、講義やゼミで困難な課題が出されても、皆、自分で文献等を調べながら解決策を探し出そうとしています。 また、それにかかる労力も時間も惜しみなく捻出します。
 これは入試を通して「問題に対して自ら調べ、考え、問題を解決する」ことができる人を大学側が選んでいるからでしょう。
 私が高校生の頃、私は教科書等を調べればすぐに答えが分かるような質問はしないように心がけました。
 先生に質問しに行って「教科書に書いてあることだね」等といわれたときは、とても恥ずかしく、自分のふがいなさを猛省しました。自分の力で解決策を探し、理解していくことでしか学習の効果がないと考えていたからです。

 かといって、かたくなに自力を貫いて質問をしないのは非常によくありません。
 学習するほどに難しいことは数多く出てきます。それを自分だけで解決するには限界があります。問題に対してじっくりと考え、試行錯誤を重ねた上での質問は大変有効でした。
 ただ「分からないから」と答え欲しさに漫然とした質問をしても何の意味もないと思います。自分で考えることを放棄しているからです。ただのその場しのぎをするだけになって、何も得るものがありません。
 この経験は大学時代にも活かされています。大学では高校のように担任の先生が決まっていて面倒を見てくれるわけではないので、自分で課題を明らかにして、問題解決方法を明確にすることが重要になります。
 当然、東大生も学校で質問をたくさんします。研究室や講義での質問をすると、その内容でその人の学習レベルがお互いに分かる程です。

 私たち東大生講師は受験を通じて、そして現在も継続して、勉強のつらさを十分に知っているので、努力している人、色々と考えた跡、調べた跡が見える人には丁寧に手助けをしてあげたくなります。
 自分で考え抜いて間違ったのなら、それは意義のある間違いです。
 何がいけなかったのかを明確にすることで次につながり、そこから自分で問題を解決することが出来るようになります。
 私たちはいわば受験勉強の先輩ですから、皆さんが質問をするうえでどの程度考え、努力を重ねたか、質問シートを見ればだいたい分かります。 ですから、皆さんが質問する際には、最低限、辞書、参考書、教科書などをよく読んで、きちんと考えて、それでもわからない部分を明確にしてから質問してほしいと考えています。
 きちんと考えた人の質問は、とても具体的です。
 例えば「私は■■の部分がわかりません。解説を見たら××とあるので再度挑戦しましたましたが解答と違う●という答えになってしまいます。」「自分はここまでやりましたが、ここから先はどう進めたらいいのでしょう」といった内容です。
 このような質問を見ると、この生徒は今後絶対に学力が伸びていくなと確信します。

 学力を向上させられるか否かは皆さんの意識一つで大きく変わります。
 是非がんばってください。私達は自分で問題に向き合い、考える、皆さんの味方です。自力で答えを導く為に問題に挑む勇気を応援しています。
 色々言いましたが、皆さんの学力向上につながることを願っています。
 私個人の意見ではありますが、ぜひ耳を傾けて頂ければ嬉しいと思います。

工学系大学院 A.I 

Q1.  大学を出た後の就職先は、どうしてもその大学の近辺になり、遠方での就職は難しいと聞いています。地元から離れた大学に進学しても卒業後は戻ってきたいのですが、大学在学中にしておいたほうがいいこととかありますか?
(高3 男子)
A1.  
 あくまで一般論ですが、地方の国公立大学へ進学するとその地方への企業へは就職しやすくなる傾向があるようです。

 ただ、故郷に帰って就職する事が難しくなるかというと、必ずしもそうではないと思います。地元企業に就職したいとしても、他の地方に進学してから戻ってくることは十分可能なはずです。
 企業の採用担当者は学生の学歴や成績、人柄などを総合的に見て判断しています。在学中は勉強でも部活動でもいいので何かしら力を注いで頑張れるものを見つけると良いでしょう。

 将来のことを不安に思う気持ちは良く分かりますが、考えていても始まらないこともあります。世の中は変化していくものなので、その時々で判断することも大切だと思います。大学入学前に就職の事を考えているという計画性があれば、就職活動も着々と進められると思います。応援していますよ!
(経済学部 S.H)

Q2. 音楽を聞きながら勉強するのはいけない事でしょうか。学校の先生は良いと言ってるのですが両親はダメだと言っています。友達も皆やっているので、私は良いと思っています。
(高1 女子)
A2.
音楽を聞いたほうがはかどる、と言う人もいれば、聴くと集中できない、という人もいます。どちらが正しいというものではなく、人によるとしか言えません。
(ちなみに私は勉強するとき音楽は聞きませんが、周りには聴いた方が良いという人も多くいます)

 ですから重要な事は、音楽を聞いたら勉強している本人が集中しやすいかどうか、なのです。もし気づいたら音楽に集中がいってしまって勉強に身が入らないならばやめたほうが良いですし、逆に音楽で外界の音をシャットアウトして勉強に集中できるようになるなら聴いた方が良いでしょう。もしかしたら聴く音楽によって集中しやすい、しにくいがあるかもしれません。
 どういう環境が良いかは人によって全く違います。
 人の言うことに惑わされず、自分なりの効率の良い方法を確立していくのも勉強のうちです。頑張ってくださいね。
(理科二類 K.H)
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