2014年4月号

<特別寄稿>東大にも(部活)はあります。
 部活というと高校生活のイメージが強いかもしれませんが、大学にも部活があります。
 高校の頃から剣道に情熱を注いでいた東大生スタッフ女子が、誰もが悩む「部活と勉強の両立」への経験談も含めて話してくれました! 

 こんにちは。私は今年で東京大学大学院総合文化研究科を卒業するY.Mです。学部時代は後期教養学部に所属しており、大学院では発達認知科学(あかちゃん学)を学んでいます。小学生の時から剣道を始め、中・高・大と剣道部に入っていました。また、学習相談室では三年間指導をしていました。

 今日は、大きく二つのテーマについてお話をしていこうと思います。一つ目は、大学と高校の部活の違いについて。二つ目は、受験を通して感じたことについてです。

 大学で部活なんてあるのか!となかなか想像が付かない方もいるかもしれませんが、大学ではサークルに加えて様々な部活動が存在しています。試合に勝つために練習をする、という点においては高校も大学も同じでしょう。では、両者の部活の一番大きな違いはなんでしょうか。
 違いの中で最も大きなものの一つは、主体性の違いではないかと私は思います。部活に限らずですが、大学ではより大きな自由が与えられます。バイトに明け暮れるもの、勉強に励むもの、学生団体に入って精力的に活動するもの、色んな人がいると思います。そんな中で、“主体的に選びとって”部活をすることになります。時間的にも体力的にもきつい中で、何を目標にし、どんな風に練習に取り組めば目標を達成することが出来るのか自分で考える必要が出てきます。また、大学に入ると生活を含め、全て自分で管理していく必要が出てきます。特に、一人暮らしを始める人であれば、炊事、洗濯や部屋の掃除など自分で行わなければならなくなるでしょう。目標のために、練習だけではなく生活全ての管理を自分で行いながら頑張ることの大変さと面白さは、大学の方が格段に上がると思います。

 次に、受験を通して感じたことについてです。 先にも書いた通り、私は高校3年生の夏まで剣道部に入っており、受験期には部活と受験の両立に苦労しました。毎日19時半過ぎに帰宅し、土日も部活の試合で埋まるため、勉強に割く時間の捻出に苦労をした記憶があります。そこで私は、時間の制約があることを意識しながら勉強をするようにし、学校では集中して勉強する環境をなるべく作ることで、量だけではなく質も高めるようにしていました。
 私は小さい頃からテレビっ子でテレビが大好きだったので、家でテレビを見る時間だけは絶対に確保するようにしていました。ただその分、家にいる以外は全て勉強するようにしていました。例えば、登下校の電車の中、休み時間や隙間時間にはずっと勉強していました。また、教科書がなくても勉強は出来ます。教科書を読むことが出来ない登下校中にも、頭の中で何が書いてあったかを思い出してチェックしていました。さらに、なるべく授業に集中する環境を作るため、席替えの際には必ず一番前の席にしてもらっていました。そして、受験期には、家に帰ったら勉強しないので最後まで学校に残って勉強していました。
 部活をやっているから、時間がないから、体力的にきついから等など、言いたくなる気持ちはすごく分かります。しかし、やらない理由を言い出せば切りがないかと思います。東大生が必ずしも元から勉強が出来るわけではありません。それをばねにしてでもやるかやらないか、その違いなのではと私は思います。

 最後に、自身の受験を振り返って、何のために大学に行くのかもっとちゃんと考えれば良かったなあと感じています。現役時には、なんのために大学に行くのか全く分からず、受験勉強自体が苦痛で仕方ありませんでした。しかし、浪人時に自分なりの目的が見つかると、モチベーションも自然と湧いてきて、現役時ほどの苦痛は感じませんでした。当たり前ですが、合格して終わりではありません。昔、「東大東大と言うけれど、24時間365日自分は東大生だ!!なんてみんな思っていない。なんてことないことなんだ」と、高校の先生が仰っていました。確かに、自分が東大に入って思うのですが、「なんてことない」です。受験時には合格が最大目的になってしまうのは仕方がないと思うのですが、目標の大学に入った後も勉強や部活、サークル活動などにおいて自分の生活を管理していかなければならないことに変わりはありません。在学中に新たに見つかる目標も出てくるでしょう。どんな仕事につくか、更に進学を考えるか、色々な可能性があります。これから受験をされる皆さんには、合格した先のことを見ながら頑張ってもらえれば嬉しいです。

 私はこの三月の卒業と同時に学習相談室も「卒業」しますが、皆さんの事をいつでも応援しています!
(総合文化研究科 Y.M)

Q1.  将来の夢や大学選択について悩んでいます。将来就きたい仕事がまだないのでどの大学に行けばよいかわかりません。特に受験したいと思う大学も決まっていません。何かアドバイスをお願いします。
高2 女子)
A1.  
 今回は私の体験談をふまえて少しお話させて頂きます。私は高校3年生の時に、物理が得意だった事もあり大学では、物理を専攻したいと考えていました。特にやりたい事があったわけでもなく、ただ単純に物理の勉強が楽しかったからという安易な理由です。しかし、実際に大学入学後地学を専攻しました。何か新しい勉強にトライしたいという思いから、衝動的に地学の道に足を踏み入れることになります。しかし、当初は、地学という学問を全く好きになれませんでした。というのも、地学という学問は地球を学ぶ事になるため、実際に野外調査をしなければならず、魅力を感じていない者にとっては、体力的に辛いものだったからです。
 この思いを引きずったまま私は、大学4年生になりました。しかし、大学4年生になると卒業のためにレポートを作成しなくてはいけません。私の卒業研究は北海道の地層を2ヶ月間以上調査するものだったので、心が挫けそうになったことがあります。本当にこれが自分でやりたかった事なのか何度も自問した事もあります。そのような中でも、私は、目の前の事に没頭することに決め、そこから何か楽しみを見出すよう努めました。確かに勉強や現地での野外調査は骨が折れましたが、没頭して集中する事で、そのもの自体に楽しみを見出せるようになりました。例えば、地学の勉強をひたすら繰り返すことで、ただの地層からどれだけ多くの地球の歴史が紐解けるのか驚愕しましたし、実際の野外調査では地層が宝の山に見えるようになり、大学院に進学しました。
 少し極端な話になってしまいましたが、何が言いたかったかというと・・・。「やりたい事がわからない状況の中でも目の前の勉強に没頭して取り組んで欲しい。そうすることで、徐々にそれ自体の楽しみをご自身で見つけだして欲しい。」この体験を繰り返すことで、本当に自分のやりたいことは見えてくると、私は感じています。
 偉そうに書いてしまいましたが、私が高校2年生の時には同じように深く考えもせず、毎日を送っていたように感じます。この時期に、あなたのように深く考える姿勢は立派だと思いますし、その苦しみや不安を大事にして、ご自身で私のアドバイスも参考にしながら答えを見つけていってもらいたいと思います。私は現在、就職活動中ですが、悩みに悩んだ上で、大学で学んだ地学ではなく、新しい目標を見つけて、そちらの方面で就職活動を行っています。

 最後になりますが、大学選びとして、オープンキャンパスやホームページで大学の情報を集めてみるのも良いと思います。私は実際に、大学見学に行って、どの学部でどういった勉強をしているのか聞いて回った事があります。そこで、お話を伺った時に、地学が面白そうと思った事もきっかけの一つになりましたし、大学構内を見学する事で、「自分はここでキャンパスライフを過ごすんだ。」という闘志が芽生えてきます。是非オープンキャンパスに行ってみて下さい!
 しかし、志望大学や学部が未定でも勉強だけはしっかりやってください。学力がなければ、行きたいところが見つかっても行けませんよ(笑)
(工業系大学院 H.T)

Q2. 数学の苦手意識が消えません。参考書を使って基礎の徹底を目指していますが模試などでは焦ってしまって基本の所でも”確実に点を取る”事が出来ていない状況です。意識を変える方法や良い勉強法が何かあれば教えて下さい。
(高3 男子)
A2.
 苦手意識を変えるには時間がかかります。問題を繰り返し解くこと、そして試験で数学が解けた体験を繰り返すことによってのみ、苦手意識は解消されます。参考書で基礎の徹底を行っている戦略はとても正しいです。この練習によって基礎が身に付き、試験問題を解くことが出来れば自然に苦手意識は解消されていくと思います。
 しかしその努力が実際の試験では報われていない状況なのですね。おそらく数学の基本で点がとれない理由としては
 @ 公式を覚えていない
 A 計算ミスが多い
 B 時間が足りないので焦る
の3つが主な理由だと思います。この3つについて順番に解説していきますので、自分がどれに当てはまるのかを考え、次からの勉強方法に工夫を凝らしてみて下さい。

@ 公式を覚えていない
 きちんと公式を暗記していますか?基本の参考書を繰り返し解いているということなので結構覚えているとは思いますが、もし瞬間的に思い出せない、もしくは曖昧な公式があるならば、もう一度きちんと教科書を復習しましょう。

A 計算ミスが多い
 基本で点数を取れない人は計算ミスをすることが多いです。途中式を省略し過ぎない、数字を丁寧に書く等の工夫をすることによって、書き間違えは無くすようにして下さい。後は計算力を上げる練習を重ねるだけです。受験期、私は積分の計算問題を繰り返し解いていました。これだけで、かなり計算力は向上するので、もし自信が無いならば、積分の計算問題で練習してみて下さい。

B 時間が足りない
 この場合も焦ってしまい、基本といっても解くことが難しくなります。早く解くことには慣れが必要です。普段から時間を決めて解いてみると良い練習になります。問題を解く前に自分で目標時間を決め、時計でタイマーをセットして解いてみましょう。そうすれば慣れて時間に焦ることは無くなると思います。

 自分がどこでつまずいているのか確認を行い、そこを解消するように工夫して勉強してみて下さい。
(工学部 F.K)
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