2013年5月号

<特別寄稿>理科一類から経済学部に進んだスタッフの体験談と皆さんへのメッセージです。
 こんにちは。東京大学経済学部4年、S.K.です。
 学習相談室では2年間、理系科目を中心に学習指導をしています。

 私は理科一類に入学したのですが、「進学振り分け」という制度を使って3年生に進級する際に経済学部へ移りました。理科一類の学生の大半は工学部や理学部に進学するので、経済学部に進学するのは珍しいケースです。

 まず、経済学部に進学した経緯や、経済学部についてお話ししたいと思います。

 高校生の頃の私は、「理系科目が得意だから東大の理科一類を受験して、その後のことは合格してから考えよう」と思っていました。そして、大学に入学してから経済学に興味を持ち、経済学部に進学したのです。大学で何を学びたいか、また、大学卒業後に何をしたいか、自分の中で明確になっている高校生はあまり多くないと思います。そういった人たちにとって、進学振り分け制度は都合がいいのではないかと思います。

 東大経済学部の一番の特徴は、ゼミと呼ばれる少人数の勉強会です。
経済学部生のほとんどは何らかのゼミに二年間所属し、そこでの勉強やゼミ合宿、飲み会(学部は3年生以上ですから未成年ではありません・・・笑)などを通じて強いつながりを作っていきます。
 経済史のゼミや経営戦略のゼミなど色々なものがあるのですが、その中で私は統計のゼミに所属しています。昨年度のゼミでは「大津波に備えて堤防を建設する際の適切な高さの算出方法」について書かれた論文を読んだのですが、そのことが一番記憶に残っています。

 折角なので、経済学部の学生の進路についても紹介します。
 経済学部の学生全体で見ると、大学院に進む人や国家公務員試験を受ける人がそれぞれ一割強、あとの人たちは基本的にみな民間企業に就職しています。
私は統計のゼミに所属しているため、ゼミの先輩の就職先は銀行や証券会社、保険会社などが多いです。金融庁に就職した人もいます。

 ここからは皆さんへのメッセージです。
 この文章を読んでいる人の中には、東大受験を視野に入れている人もいることでしょう。
実は、東大に行くための特別な勉強法というものはありません。学校の勉強を疎かにせず、地道な日々の学習を続けていくしかないのです。
 天才的なひらめきや卓越したセンスを持っている人を見ると、確かにうらやましく思えます。でもそういった素質は、少なくとも大学受験では求められていません。長期的な計画を立てて辛抱強く実行する能力があるか、大学側はそこを見ています。東大に限らず、どこの大学を受けるにしても同じことが言えます。
 受験生の皆さんは、毎日の積み重ねを大事にしてください。

    
私が学んでいる校舎です。

Q1.  長い休みになると家での勉強をつい怠けてしまい、計画していた通りに勉強できません。勉強は嫌いではないですが、つい寝てしまったりケータイをしてしまったりと弱い自分に負けてしまいます。そういう時はどうすれば良いでしょうか。
(高2 女子)
A.  
 家で勉強すると怠けてしまう。よく分かります。私も高校時代は家でつい怠けて親に怒られていました。
 どうして怠けてしまうのかを考えると、手元にケータイや漫画があるするには、誰も見ていないので怠けられる、といった原因があります。これらを解消するには場所を移るのが手っ取り早いです。図書館などの場所の方が少しくらい遠くても、家以上に集中できるはずです。出来ない場合はリビングなどでやるのはどうでしょうか。誰かしら人はいるでしょうし、誘惑も自分の部屋よりは少ないと思います。また。モチベーションをあげるには目標をしっかりと定めることも重要です。何のために勉強するのかをはっきり認識すれば自然とやる気が出てくると思います。

 注意してほしいのは集中してやるということです。ダラダラと長時間勉強すると、あまり身に付いていないのに勉強した気になって危険です。集中力が明らかに切れてきたなら、休憩するか、さっさと寝てしまいましょう。その方が絶対にいいです。毎日コツコツとやれば確実に力となりますので、継続して勉強しましょう。頑張ってください。


(工学部 Y.O)

Q2.  私は暗記が苦手です。特に英単語は覚えて1日たつと前日覚えた単語を忘れてしまって、覚えても覚えても以前に覚えたものを忘れてしまいます。どうやったら暗記できますか?また楽しく暗記する方法などあれば教えて下さい。
(高3 女子)
A. 
 大丈夫です。暗記ができない人間はいません。覚えたことを忘れてしまうのは極めて正常な現象です。
 下図は忘却曲線と呼ばれるもので、人の新しい記憶が時間とともにどのように失われていくのかを表した図です。

 見ての通り、新しい事柄を記憶してから1時間後には半分以下、24時間後には30%ほどしか思い出せないことが分かっています。
 ところが定期的かつ頻繁に記憶作業を繰り返すと曲線が落ちにくくなることが知られています。これが暗記です。

 つまり初めて学習した事柄を記憶に定着させようとするならば、1日に1回は覚えたもの全てを復習しなければいけません。 暗記ものを勉強する場合、ただ目で読んだだけでは記憶に残しづらいと思います。繰り返し何度も声に出すことで記憶の定着率はダントツに上がると言われています。
 体を動かすと気分転換になるので部屋の中を歩き回りながら音読する人もいます。英単語や年代を覚えるため、風呂に入る時に、紙に鉛筆で暗記したい内容を書いたものを持ちこみ、濡らして壁に貼り付けて入浴中にそれを眺めて呟くという人もいました。 
 耳や口など、体をいろいろ使って勉強することが楽しく暗記するコツと言えるかもしれません。

(医学系大学院 K.K)
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