2013年12月号

<特別寄稿> 大陸横断 自転車の旅 〜 カザフスタンから中国へ
 東大建築学科を卒業後、奨学金で海外留学したスタッフの体験談連載!
 最後の旧ソ連国であるカザフスタンに入り、中国への国境の近くで、一人の男に出会いました。
 日が暮れようとしていて、テントを張る場所を探していたときです。突然誰かが怒鳴る声がしました。どうやら私がいたのは男の畑で、彼は私に出て行くようにいいました。私は眠りたいだけだからテントを張らせてくれとお願いしました。なかなか聞いてもらえず出て行こうとしたとき、彼はしぶしぶいいと言ってくれました。外で夕食を作ろうとしている私を見て、結局彼は私を家の中に入れて台所を使わせてくれました。それから食事をしながら少しずつ話をしているうちに、だんだんと心を開いてくれました。
 彼は自分のことをウイグル人であるといいます。父がカザック人、母がウイグル人だそうですが、アイデンティティはウイグルにあると。旧ソ連領に生まれた彼は、徴兵されてウクライナへ行ったそうです。古びた友達との写真を自慢げに見せてくれました。しかしソ連解体後、戻ろうとした彼には、「帰る場所」がなかったのです。ウイグル人の大半は、中国の新彊ウイグル自治区に住んでいます。しかし中国のウイグル政策のため、そこに戻ることはできないと言いました。またウイグル人としての彼は、カザック人の村には居づらいのか、何もないところにたった一人で、家畜たちとともに暮らしていたのです。
 次の朝出発するときに、ずっと怒ったような表情だった彼が少しだけ微笑んでいるように見えました。そして涙を流しながら「また戻ってこい」といい、私の無事を神に祈ってくれました。
 私は「孤独」という言葉について考える時、いつも彼のことを思い出します。私は長い間一人で、孤独に旅をしていると思っていましたが、私には日本に家族がいて、いつも「帰る場所」がありました。それは私の、人間としての「原点」なのです。そのことがどんなに幸福かという、とても大切なことを教えてくれたのが彼でした。今でも、いつか彼に再会してそのことを伝えられる日がくれば、そして人々の気持ちと関係のないところで彼らの大切な場所が奪われることのない日がくれば、と心の中で願っています。
カザフスタンのラクダ達)
(建築学科(院) I.Y)  

Q1.  古典の勉強法について質問です。センター試験問題、2次試験問題ともに推測が当たれば得点できるのですが、外れていたときはほとんど点がありません。古文単語もやっていますが、いざ問題文と向き合うと、とたんに何が書いてあるか分からなくなります。もっと単語を覚えていく必要がありますか?
高3 男子)
A.  まず、古文を読解する際のポイントについてお話します。英語の読解と似ていますが、古文を読む際も、
 
@誰がAどうした、の2つに注目して読むことです。それが出来るだけで、どういう話なのかが把握できます。何となくのレベルでも良いので、@誰が、Aどうした、か全部分かってしまえば、設問に取り組むことが出来るはずです。@誰が、Aどうした、がだいたい分かることを学習の目標にしましょう。

■単語を覚える必要があるかどうか
 まず、@誰が、Aどうした、をだいたい理解出来ていますか?もし、理解出来ていないのならば、単語力不足だと思われます。副詞などは後回しにして、動詞の単語をしっかり覚え、Aどうした、の部分をきちんと読み取れるようにしましょう。
■文法を覚える必要性
 私がお薦めするのは、単語をたくさん覚えるよりも文法を完全に暗記してしまうことです。単語は数に限りがありませんが、文法は限られています。量はありますが、これをきっちり覚えきってしまえば、読解の大きな助けになるでしょう。
 また、英語と違う古文の特徴なのですが、古文では、@誰が、の省略がとてもよく行われます。そのため、敬語や受身に気づくことがとても大切になります。例えば、使われている敬語が理解出来れば、身分が高い人が主語なのか、低い人が主語なのかが判断でき、主語が分かるはずです。また、反語を理解していないと、Aどうした、の部分の読解が全く逆の意味になってしまい、正反対の解釈になりかねません。
 単語の勉強は動詞を中心に、@誰が、Aどうした、が大体分かるレベルにとどめ、文法はほぼ暗記できているレベルを目指しましょう。

 3年生ということは時間が限られていると思いますので、完全に古文が読めるレベルを目指すのではなく、文法と最低限の単語を勉強して、@誰が、Aどうした、を大体把握できるレベルの読解力をまずは目指しましょう。試験まではまだまだ勉強する時間はあるので頑張って下さい。

(工学部 F.K)

Q2. 現代文の問題の長文で作者の意図というのがとらえにくいのですが、どういうふうにとらえれば良いか、学習方法がわかりません。
(高2 男子)
A.  現代文(評論)で点数の取れない原因としては、
 ・自分の頭でなんとなく考えて答えてしまっている
ということが考えられます。現代文も入試問題として作っているので、必ず本文中に答えの根拠があります。「ここにこう書いてあるからこの答えになる」という部分を見つけて解くようにすれば大丈夫です。
 それではその「根拠」を見つけるための現代文の読み方のポイントを書いてみます。

 まず、入試の現代文(評論)は、
 A 筆者の意見(言いたいこと、結論)
 B その具体例や証拠や引用、比喩

からできている、ということを理解しましょう。
 評論文は自分の意見を他人に納得してもらうために書く文章です。現代文の問題に使われている部分は、Aを言ったらBを挙げ、Bから始めたらAでまとめるという形になっています。そこで、
☆ 読んでいる文がAかBかを考えながら読み、Aに線を引いておく
と便利です。なぜなら、理解できない引用(難しい言葉を使っている)や比喩がでてきても、結局それがAを言うためのBだと判っていれば「つまりはAということだな」と焦らずに済むからです。
 さらに、説明問題で問われることが多いのは、Bの部分の一文に傍線を引き、「〜〜〜とはどういうことか○○字で説明せよ」というパターンです。BはもともとAにもっと説得力をもたせようともってきたものなので、Aを探せば良いのです。(本文から根拠を探す)
 もしAを意識せずBの比喩などだけを見てしまうと、人によっていろいろな解釈ができるので間違えてしまうのです。(自分の頭で考えている)
 自分の頭を信用せず、A(形を変えて繰り返される)をチェックしていくことで筆者の主張をつかむようにします。
 こうしてAを探しながら読めば、読み終ってから、Aだけ読み返してまとめることで本文の要約文を作れます。ここまでくれば筆者の言いたいことはつかめているので、内容一致問題も選択肢を比べて、より本文と合うものを選べます。

(経済学部 S.H)

Q3. 冬休みの課題に”百人一首”があるのですが、百個覚えるコツ、良い方法があれば教えて下さい。
(高1 女子)
 「冬休みの課題」ということですが、休み明けに「百人一首大会」などをやるのでしょうか。それとも単純に丸暗記してテストで書く事になるのでしょうか。どんな課題かにもよりますが、次のようなものはどうでしょう。楽しんで覚えるのがコツです。

@ 単語カード(大)に、上の句と下の句をわけて(表裏に)書き、声に出して読みながら暗記する。(カードを作る作業だけでもかなり頭に入る)
A 歌意と修辞を理解しながら書くor読む。(何も知らずに言葉を覚えようとするより、理解付けしたものの方が頭に残る)(掛詞や縁語をわかっていると歌意も出てきやすい)
B 初句と下の句だけ覚える。(「百人一首大会」専用。上の句を読んでいる間に探せる。さらに以下のように「最初の一字→下の句」という対応がある句もある)

 む→霧立ちのぼる秋の夕暮れ
 す→からくれなゐに水くくるとは
 め→雲がくれにし夜半の月かな
 ふ→むべ山風を嵐といふらむ
 さ→いづこもおなじ秋の夕暮れ
 ほ→ただ有明の月ぞ残れる
 せ→われても末にあはむとぞ思ふ


 頑張って下さい。
(教養学部 Y.M)
体験的勉強法目次へ
(C) 2013 Coretech